メールマガジン 第177号  

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<メールマガジンSignalNow> 2019年6月15日・第177号
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(1)2分で読める防災コラム 第123回
最新の「南海トラフ地震」への対応について
(2)南海トラフ巨大地震のおそれなら1週間「事前避難」を
(3)災害列島 命を守る情報サイト
(4)5月の地震活動及び火山活動
(5)5月の地殻変動

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(1)2分で読める防災コラム 第123回
最新の「南海トラフ地震」への対応について
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今号は、先月末に開催された「中央防災会議」の最新情報についてです。

*中央防災会議:内閣の重要政策に関する会議の一つとして、内閣総理
大臣をはじめとする全閣僚、指定公共機関の代表者及び学識経験者によ
り構成されており、防災基本計画の作成や、防災に関する重要事項の審
議等を行うものです。

1.「南海トラフ地震」被害想定の更新について

これまで政府は、2013年に「最大32万3千人が死亡し、238万6千棟
が全壊する」との被害想定を公表していました。

翌年の2014年3月、防災対策や応急活動のもとになる「防災対策推進
基本計画」をまとめ、死者数を10年間で8割減らすなどの目標を掲げ
ていました。

その後、2013年から2018年までの5年間で、建物の耐震化が進んだこ
とや津波に対する住民の避難意識も高まったこと、避難ビルを指定して
いる市町村の割合などを踏まえ、最新の人口に基づいて被害想定を再計
算した最新の試算が公表されました。

最新の試算では、想定死者数は23万1千人(9.2万人減)、建物の全壊
棟数も209万4千棟(29万2千棟減)となりました。

人的被害については、2013年試算より3割減少、建物の全壊棟数は12%
減となりましたが、目標とする「人的被害を10年間で8割減、建物の
全壊棟数は50%減」というペースには追いついていません。

人的被害が減ったことで、生産やサービスなどの間接被害額は44兆7
千億円から36兆2千億円に減となりました。

しかし、建物や資産の直接被害額は、当初想定の169兆5千億円から
171兆6千億円に増えています。近年の資材価格の高騰などが影響した
とのことです。

そして、耐震化率が住宅で80%、学校で90%を超えたことなどから20年
度までに耐震化を公立学校で完了し、病院で80%を目指すなどの目標が
新たに付け加えられました。

また、電力やガスなどのインフラ事業者や金融機関、交通機関に対して
は、地域住民が生活を継続できるよう事業・営業の継続に努めることな
どが義務付けられました。

[出典] 内閣府Webサイト「防災情報のページ」
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/

2.「半割れ」が発生した場合について

「南海トラフ地震」の想定震源域において、大地震につながる可能性が
ある異常現象として、「半割れ」「一部割れ」「ゆっくりすべり」の3
ケースが考えられます。

その中でも最も危険視されているのが「半割れ」で、震源域の東西のい
ずれかで、マグニチュード(M)8クラスの地震が発生する場合です。

この地域で起きた過去2回の「半割れ」は、いずれも東側で最初の地震
が発生し、そのあと西側で「1854年のケースでは32時間後」「1944年
のケースでは2年後」に同規模の地震が発生しています。

M8クラスの「半割れ」の場合、震源地ではない側(東または西側)が
「1週間の一斉避難」となります。

「半割れ」が起きた場合、残る反対側地域でも、新たな巨大地震が誘発
される可能性が高く、そのため被害が出ていない地域でも、新たな地震
発生から「30分以内に30cm以上の津波」が予想される沿岸部の住民
は、1週間程度避難すべきとされています。

この場合、発生場所や規模が読めない中、自治体はどう住民に避難を呼
びかけをすれば良いのかに頭を悩ませています。

一部地域が甚大な被害に見舞われた状況で、国は「まだ地震が起きてい
ない残り半分側の地域の対象住民」に1週間の避難を求めることになり
ます。

つまり「自分たちの地域に被害が出ていない状態で、避難の呼びかけに
応じてくれるだろうか」という懸念です。

そこで、先月末の中央防災会議で修正された「南海トラフ地震防災対策
推進基本計画」には、半割れの発生から市町村や住民の対応までの動き
も盛り込まれました。

新たな基本計画では、自治体に対して、事前に「1週間避難」の対象地
域を指定しておき、避難場所や経路などを定めておくよう義務付けてい
ます。

市町村ごとに「どの地域が1週間避難の対象になるか」を計画に明示し
なければならず、政府は2020年春までに自治体がそれぞれ計画を定め
るよう促しています。

これに対して自治体の担当者は「対象地域になると、地価に影響しかね
ないので、不公平感が生じないよう、近隣自治体と綿密に情報交換し、
整合性を図る必要がある」としています。

同じく、福和伸夫・名古屋大減災連携研究センター長(地震工学)は、

「自治体や学校・福祉施設、鉄道事業者、その他の企業などの間で合意
形成ができていないと、いざ住民の避難が始まったときに社会的混乱を
招きかねない。

地震はいつ起きてもおかしくなく、国はモデル地区を設定して自治体の
計画づくりを積極的に後押しするなどの取り組みが求められる」として
います。

なお、M7クラスの「一部割れ」なら「自主避難」となり、地震は起き
ていないけれども異常な現象を確認した「ゆっくりすべり」は、今後地
震が起こる可能性があるため「備えの再確認」という対応となります。

「南海トラフ巨大地震」は、大規模な被害につながりやすく、今のうち
に、万全の「防災・減災対策」を進めて欲しいものですね。
次号もお楽しみに!

by Hirono

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(2)南海トラフ巨大地震のおそれなら1週間「事前避難」を
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政府の中央防災会議が5月31日に開かれ、「南海トラフ地震臨時情報」
が発表された際の対応を盛り込んだ国の防災計画の修正案が議題となり
ました。

対応の主な内容は、南海トラフの震源域の半分程度が先行してずれ動い
てマグニチュード8以上の地震が起きたあと、さらなる巨大地震の発生
に警戒が必要な場合、総理大臣の指示に基づき自治体から一部の住民に
対して、1週間、事前避難が呼びかけられます。

修正案は了承され、自治体や学校、病院、ライフライン事業者などは来
年3月を目標に具体的な防災計画づくりを進め、計画が固まったところ
から順次運用が始まります。

このほか国の防災計画には、大雨の際に発表される防災情報を5段階の
警戒レベルに分けることや、学校での防災教育の充実などが新たに盛り
込まれました。

また、南海トラフ巨大地震の被害想定について、最新データに基づいて
計算し直した結果、当初の想定よりも死者数が3割近く減るとする推計
も報告されました。

TEAM防災ジャパン 19.6.3
https://bosaijapan.jp/news/【防災施策】南海トラフ巨大地震のおそれなら1週/

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(3)災害列島 命を守る情報サイト
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地震や津波、台風といった自然災害。
想定される被害や事前に発表される情報の意味を正しく理解して日頃から
十分な備えをすることが重要です。
「これだけは知っておきたい」という情報をセレクトして掲載しています。

今後30年以内に高い確率で起きると予測されている列島各地の大地震。
いつかは必ず噴火する富士山…。
どこで何が起きるのか?
「命を守る」ために知っておかなければならない情報です。

■全国111活火山 生活空間のすぐそばに
■南海トラフ巨大地震 被害想定 死者32万人超
■南海トラフと根室沖の巨大地震 発生確率80%に
■南海トラフ巨大地震 臨時情報が出た時の行動は?
■首都直下地震 被害想定 死者約2万3000人
■「日本海溝」沿い M7クラス大地震 “30年以内に90%以上”
■千島海溝 巨大地震 切迫の可能性高い 地震調査委
■内陸直下 活断層による地震に警戒を
■富士山大噴火 降灰シミュレーション 深刻な影響も

NHK 19.5.14
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/natural-disaster/

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(4)5月の地震活動及び火山活動
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■地震活動
5月10日の日向灘の地震(M6.3)により最大震度5弱を観測し、軽傷2人の
被害がありました。

5月25日の千葉県北東部の地震(M5.1)により最大震度5弱を観測し、軽傷
1人の被害がありました。

全国で震度3以上を観測した地震の回数は16回で、このうち、最大震度
4以上を観測した地震は6回でした。日本及びその周辺におけるM4.0以上
の地震の回数は78回でした。

■火山活動
警報・予報事項に変更のあった火山は以下の通りです。

吾妻山では、火山活動の活発化が認められることから、9日18時40分に
火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規)に引き上げま
した。

箱根山では、大涌谷周辺の想定火口域内に影響を及ぼす噴火が発生する
可能性があるため、19日2時15分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒
レベルを2に引き上げました。

気象庁 19.6.10
http://www.jma.go.jp/jma/press/1906/10b/1905jishin.html

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(5)5月の地殻変動
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5月10日に発生した日向灘の地震(M6.3、最大震度5弱)に伴い、「佐土
原」(宮崎県宮崎市)で南東方向に約1cm移動するなどの地殻変動が観測
されました。

九州北部・四国西部では、それまでの傾向とは異なる地殻変動が検出さ
れています。この変動は、日向灘北部及び豊後水道周辺のフィリピン海
プレートと陸のプレートの境界深部における長期的ゆっくりすべり(ス
ロースリップ現象)によるものと推定されます。

吾妻山周辺で見られていた膨張を示す地殻変動は、2019年4月頃には
やや鈍化しましたが、継続しています。

国土地理院 19.6.10
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2019-goudou0610.html

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□■■ ~最近のFacebook「いいね!」トップ3~ ■■□
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第1位 5月25日、千葉県南部で震度5弱の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/2473657672666901/
第2位 日向灘の周期地震警戒を M7.1級、30~40年周期で発生
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/2464843406881661/
第3位 6月1日、千葉県北東部で震度4の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/2485208654845136/

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