メールマガジン 第113号  

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<メールマガジンSignalNow> 2016年7月11日・第113号
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(1)2分で読める防災コラム 第59回
「熊本地震」で倒壊した新耐震基準について
(2)6月の地震活動及び火山活動について
(3)「M6.8以上、30年内に50%」 中国地方の活断層地震

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(1)2分で読める防災コラム 第59回
「熊本地震」で倒壊した新耐震基準について
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今回の熊本地震では、最新の耐震基準をクリアした建物であっても、多
数の全壊・半壊が起きました。
今号は、これを取り上げてみたいと思います。

◆熊本地震における「ゆれ疲れ」による住宅被害

熊本県を中心に、4月14日から20日にかけて、震度7が2回、震度6強
が2回、震度6弱が3回発生しました。
震度7の揺れが繰り返し同じ地点で起きたのは、気象庁の観測史上初め
てのことでした。

熊本県がまとめた県内の住家被害は、全壊8,419棟、半壊1万9,319棟、
一部損壊8万185棟となっています。

これまでの大地震と比べて特徴的なのは、「新耐震基準」導入以降に建
てられた比較的新しい住宅の被害が目立つことでした。

熊本市の公立小中学校は、2013年度末時点で、耐震化率100%であった
にもかかわらず、2回の巨大地震によって、筋交いが破断するなど、危
険な状態となり、小学校8校、中学校16校の体育館が使用禁止となりま
した。

1回目の震度7では特に問題なかった建物でも、2回目の震度7で一気に
倒壊したケースが多数ありました。
いわゆる「ゆれ疲れ」と呼ばれる現象による被害です。

被災者からは、「1回目の被害なら、修理で何とかなりそうだったのに、
2回目のあと、我が家に戻ってみてもう駄目だと思った。」「1回目と2
回目のあとでは、町のようすががらりと変わった。」という話があった
そうです。

◆「新耐震基準」とは

そもそも「新耐震基準」は、1981年の建築基準法の改正で、「震度5強
程度の中規模の地震動でほとんど損傷しない」「震度6強から7程度の
大規模の地震動で倒壊・崩壊しない」というレベルの強度を求めたもの
です。

しかし、1995年の阪神淡路大震災では、新耐震の木造住宅でも被害が続
出し、2000年に、木造住宅について、柱と梁の接合金具や壁の配置の仕
様(新・新耐震とも言う)が決められました。

日本建築学会九州支部による益城町における調査で、2000年以降に建て
られたとみられる「新・新耐震」の木造住宅であっても、倒壊して骨組
みなどがむき出しになるなどの全壊が見られたとのことです。

益城町役場庁舎自体も、鉄筋コンクリート(RC)造・3階建てで、数年
前に外付けフレームによる耐震改修を終えていました。

しかし2回目の震度7で、周辺地盤が陥没し、外付けフレームの短スパ
ン梁にせん断ひび割れが入って大きく損傷し、機能不全となりました。

現行の「新・新耐震」は、あくまで1度の震度7の強い揺れでも、建物
が倒壊または崩壊しないことが条件であり、2度、3度と強い地震が起き
た場合に、その前の揺れで生じていた部分的な損傷によって引き起こさ
れる倒壊や崩壊は、想定されていませんでした。

今回の熊本地震での「想定外」により、繰り返しの強い揺れにも耐えら
れる耐震基準に見直される可能性も出てきました。

大手住宅メーカーの中には、木造住宅でも震度7の繰り返しにも耐えら
れる強度をアピールしている企業も出てきました。

また、「耐震基準が厳格化されても、現在の工法から接合部の金具を増
やす程度で対応でき、コストは1軒当たり数十万円程度の上昇で済むの
ではないか」(大手住宅メーカー担当者)との見方もあるようです。

壁谷澤寿一 首都大学東京准教授によると、
「現行の耐震基準は、地震発生時に倒壊を防ぎ、人命を守ることを確保
するものだ。
避難所指定を受けた建物ではその後、継続的に使えるかどうかも問題
となる。
公共施設にはもう少しレベルの高い基準も必要だろう。」
とのことです。

一方で、「地盤の断層のずれ」が原因の場合には、耐震基準が厳格化さ
れても、倒壊に至るのではないかという話もあり、地盤による影響はや
はり大きいようです。

川沿いなどの軟弱地盤や盛り土などによる造成地等、そもそもの地盤の
変状によって、住宅が倒壊・大破してしまうケースでは、どれだけ建物
の耐震基準を厳格化しても、そもそもの地盤が崩れてしまうと、倒壊を
防ぐことは難しそうですね。

自分の住む(これから住もうとしている)家の地盤がどうなっているか、
建物が繰り返しの「ゆれ疲れ」にも耐えられる強度なのか、1度チェッ
クしてみる必要がありそうですね。

by Hirono

 

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(2)6月の地震活動及び火山活動について
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平成28年熊本地震の活動は、全体として減衰傾向がみられます。この
活動で6月に最大震度5弱を観測した地震は1回、震度4を4回観測し
ました。
また、6月16日に内浦湾のM5.3の地震により最大震度6弱を観測し、
軽傷1人などの被害がありました。
全国で震度3以上を観測した地震の回数は36回、日本及びその周辺に
おけるM4.0以上の地震の回数は97回でした。

気象庁 16.7.8
http://www.jma.go.jp/jma/press/1607/08a/1606jishin.html

 

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(3)「M6.8以上、30年内に50%」 中国地方の活断層地震
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政府の地震調査委員会は7月1日、中国地方にある活断層が起こす地震
の発生確率を評価した結果を公表しました。
今後30年以内にM6.8以上の地震が中国地方で起きる確率は50%とし、
鳥取市や原発のある松江市がある北部では40%、山口市や広島市がある
西部では14~20%、岡山市など東部では2~3%としました。
地域別に活断層の地震確率を公表するのは2013年の九州地方、15年の
関東地方に次いで3例目となっています。
中国地方での発生確率は関東地方の50~60%とほぼ同程度で、九州地方
の30~42%よりやや高くなっています。

日本経済新聞 16.7.1
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG30H56_Q6A630C1000000/?dg=1&nf=1

 

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第1位 南海トラフ地震の「予兆」!? 学者ら厳重警戒
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第2位 東海地震対策を南海トラフ全域に拡大か議論へ
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第3位 「M6.8以上、30年内に50%」 中国地方の活断層地震
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