Webマガジン 第206号  

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<WebマガジンSignalNow> 2021年11月15日・第206号
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(1)2分で読める防災コラム 第152回
   防災最前線<Part1>「防災デジタルプラットフォーム」について
(2)10月の地震活動
(3)10月の地殻変動

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(1)2分で読める防災コラム 第152回
   防災最前線<Part1>「防災デジタルプラットフォーム」について
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1.はじめに

人類は「その日暮らし」の狩猟生活から、計画経済が可能な「農耕」を発明し、産業革命
では「酷な労働」から人類を解放しました。

同じく、船舶・列車・航空機の発明によって、物資・人の移動を「地球規模」へと変革
しました。

コンピュータやインターネットの発明によって、全人類の情報・知恵の統合等に成功し、
情報革命を成し遂げました。

このように、いつの時代でも「テクノロジーの進化」が、人類を進歩させてきました。

もちろん「防災」においても、最新テクノロジーの導入が欠かせません。

そういう意味では、ストラテジー(株)の緊急地震速報システム「SignalNow」も、コンピュー
タ・ネットワーク・各種センサーなど「デジタルテクノロジー」の活用によって実現して
いるシステムです。

今どこまで「防災」における「テクノロジー導入」が進んでいるのか、その最前線である
「防災デジタルプラットフォームについて」です。

2.防災デジタルプラットフォームとは

内閣府で、今後の「防災・減災、国土強靱化新時代」に向けて、5つのワーキンググルー
プチーム(以下「WGチーム」)が作られて検討が進められ、2021年5月25日に各WGチー
ムから提言がなされました。

ここで提言されたのが「防災情報の収集・分析・加工・共有体制」を進化させる「防災デ
ジタルプラットフォーム」構想です。

行政機関や電力・通信等の事業者、医療情報等の人命救助の対応に必要な情報など、防災
に必要なあらゆる情報を収集・分析・加工し、自衛隊等の災害対応機関と情報共有する
「防災デジタルプラットフォーム」を構築するというものです。

同じく、刻々と災害時に人手で収集している情報について、ドローン、センサー等を積極
的に活用し、迅速に自動で集約する仕組みである「防災IoT」の整備も提言されています。

これらの提言を受けて予算が編成され、具体的に動き出しています。

9月1日には「デジタル庁」が発足し、「防災デジタル」化についても目標が定められてい
ます。

3.防災における現状の課題

ア.提言の中で「現在の防災における課題」が、次のように挙げられています。

(1) 災害発生が予測できない:自然災害の十分な予測が困難
(2) 現状が分からない:発災直後には情報が少なく、災害対応での適切な判断が困難
(3) 先が読めない:対応が後手に回るケース
(4) 能力が分からない:行政・民間で準備している物資や機材の量や能力が不明
(5) 住民が逃げない:「正常性バイアス」による避難行動の遅れ
(6) 行政機関が動けない:行政機関等の機能不全の可能性
(7) 電気・通信が使えない:デジタルに不可欠な電気・通信が利用不可の可能性

イ.これらの「課題」を克服するため、次の政策が提言されています。

(1) 防災デジタルツインによる被災・対応シミュレーション

*デジタルツイン:物理空間から取得した情報をデジタル「仮想空間」にコピーして完全
再現し、あらゆるシミュレーションを行って、情報を収集・分析・最適化することで、社
会にフィードバックするシステム全体のこと。

(2) リアルタイムの情報共有(安否・インフラ情報等)

(3) 究極のデジタル行政能力の構築(行政機関等のデジタル移転・ハイブリッド化)

これらを実現するのが「防災デジタルプラットフォーム」と「防災IoT」と位置づけられて
います。

「防災デジタルプラットフォーム(官民災害対応システム)」の基板となるのは、現在稼働
中の「総合防災情報システム」「SIP4D」「DIAS」などであり、これらを連結しつつ、統一
化・標準化して「日本版EEI」としてグレードアップすることとしています。

*SIP4D(Shared Information Platform for Disaster Management):内閣府が主導する
「戦略的イノベーション創造プログラム」(通称:SIP)の一環として研究開発を進めてき
た、基盤的防災情報流通ネットワーク。

*DIAS(Data Integration and Analysis System):地球観測データの統合・解析システム。

*日本版EEI(Essential Element of Information):災害対応を標準化し、災害関連情報
項目、データ構造、共有ルール等を策定したもの。

4.防災デジタルプラットフォームで実現を目指すこと

防災デジタルプラットフォームの構築によって、情報の分析と周知など、次の実現目標を
掲げています。

(1) 災害時の大方針立案支援
(2) 正確な氾濫予測(線状降水帯の予測システム等)
(3) 避難誘導(避難先・危険個所表示)
(4) 避難所混雑状況
(5) 治療時に必要な医療情報提供
(6) インフラ復旧状況の把握

次号は「防災最前線<Part2>」として、「防災デジタル・トランスフォーメーションにつ
いて」です。

お楽しみに!
by Hirono

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(2)10月の地震活動について
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10月6日の岩手県沖の地震(M5.9)により最大震度5強を観測しました。
この地震により、負傷者3人、住家一部破損1棟の被害がありました(10月13日現在)。

10月7日の千葉県北西部の地震(M5.9)により最大震度5強を観測しました。
この地震により、負傷者47人などの被害がありました(10月15日現在)。

全国で震度3以上を観測した地震の回数は16回で、このうち、最大震度4以上を観測した
地震は5回でした。日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は78回でした。

気象庁 21.11.8
http://www.jma.go.jp/jma/press/2111/09a/2110jishin.html

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(3)10月の地殻変動
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東北地方を中心に、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。

2020年夏頃から紀伊半島西部・四国東部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測され
ています。この変動は紀伊水道周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに
起因するものと推定しています。

2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。この
変動は四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと
推定しています。

2020年夏頃から九州南部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は2021年
春頃に鈍化したまま現在もその状態が続いているように見えます。この変動は日向灘南部
のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。

石川県能登地方では、2020年12月頃から「能都」で南南西方向の変動が、「珠洲」で隆起
が見られるなど、この地域の地震活動とほぼ同期して地殻変動が観測されています。

硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が、「硫黄島2」で南向きの変動が継続
しています。

国土地理院 21.11.8
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2021-goudou1109.html

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第1位 11月1日 茨城県北部で最大震度4の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/4784569378242374/
第2位 10月21日 東海道南方沖で最大震度3の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/4751176941581618/
第3位 11月8日 茨城県南部で最大震度3の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/4806128149419830/

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