メールマガジン 第193号
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<メールマガジンSignalNow> 2020年10月15日・第193号
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今後の本メールマガジンについて
(1)2分で読める防災コラム 第139回
「ブーメラン地震」について
(2)9月の地震活動
(3)9月の地殻変動
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今後の本メールマガジンについて
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7月号からお知らせしていますとおり、メールでの配信は年内までとな
りました。
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おかげさまで当サービスのFacebookのフォロワーは3.6万人、Twitter
のフォロワーも1万人となっています。
来年からは毎月1回、当サービスのSNSアカウント(上記・下記のURL)
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だの方は、これを機会にぜひ、FacebookとTwitterのURLからフォロー
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承の上、引き続きのご愛読のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。
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(1)2分で読める防災コラム 第139回
「ブーメラン地震」について
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今号は、前号(台風10号の大規模被害によって急遽予定を変更)で掲
載を予定していた「ブーメラン地震」についてです。
これは、筑波大学を含む国際的な研究チームが「ブーメラン」地震の破
壊過程を世界で初めて捉え、8月10日付にて世界的学術誌『Nature
Geoscience』に論文発表したものです。
国立大学法人筑波大学生命環境系 山岳科学センターの奥脇亮 助教授、
八木勇治 教授、清水宏亮 大学院生(当時、現気象庁)らとイギリス、
ドイツの研究機関を中心とした国際共同研究による成果です。
1.研究内容の概要について
研究チームは、2016年に大西洋中央海嶺で発生したマグニチュード
(M)7.1の「ロマンシェ地震」の破壊過程を、震源近傍に設置した「海
底地震計データ」と震源から遠く離れた「遠地実体波データ」を統合的
に解析しました。
その結果、地震破壊前線がブーメランのように途中で進行方向を逆向き
に転回し、超せん断速度で逆伝播する特異な震源過程様式であったこと
を世界で初めて明らかにしました。
通常、地震の振動は「去ったあとに戻ってくる」ということはありませ
んが、中にはその振動がまるでブーメランのように帰ってくることがあ
るというのです。
これは、従来の常識を覆す「地震破壊」の新たな姿の発見であり、巨大
地震の「破壊成長機構の理解を促す新知見」となるものです。
ロマンシェ地震は、ブラジル東海岸とアフリカ西海岸のほぼ中間に位置
する赤道付近の「ロマンシェ破砕帯」という場所に沿って発生しました。
大西洋中央海嶺には、2枚のプレートが水平にずれる「トランスフォー
ム断層」があり、これが発達して地震を起こしています。
海嶺というのは、マントルが地中からせり上がってきて新しいプレート
が生まれている場所のことを言います。
海嶺で新しいプレートが発生する際に、その境界が左右に分断され、横
ずれを起こしているのが「トランスフォーム断層」です。
海嶺から新しいプレートが生まれて移動する際に、トランスフォーム断
層では、2枚のプレートの動きが互い違いになってしまうため、その地
点で地震が発生するわけです。
ロマンシェ地震を詳細に解析したところ、地震破壊に2つの過程があっ
たと確認されました。
1つ目は、初期破壊が震源深部から浅部へ東方向へ進み、2つ目は破壊
方向が西へとブーメランのように逆転し、震源に向かって最大毎秒6キ
ロメートルという高速で逆伝播しながら断層浅部を破壊していたのです。
時速では約1万8000キロという驚異的な速さは、北海道から沖縄まで
の距離をわずか10分で移動できるほどの速さであり、地震のS波が地
殻を通過する速さ(せん断速度)を超えるため、「超せん断速度」と呼
ばれます。
この速さで伝わる「超せん断地震」では、超音速で飛ぶ航空機が衝撃波
を生み出すように、破壊力が増幅され、甚大な被害が出るとされます。
2.研究チームの予想と今後について
なぜ、地震がブーメランのように行ったり来たりしていたのか、研究チー
ムの予想では、深部で放出された地震初期の破壊エネルギーが、浅い位
置に伝わって来た際、地中の地形の影響で西向きに反転したのではない
かと推測しています。
地震の破壊前線の進行方向や破壊継続時間は、地震の強さや分布に大き
く影響してきます。
こうした複雑な地震が確認されたということは、海に限らず、内陸の断
層において、類似現象が起きる可能性を示しています。
研究チームが行ったコンピューターモデルによっても、地下深くで発生
した地震がまず東へ向かって伝播し、中央海嶺近くまで達した後に、U
ターンして断層の上部を逆伝播したシミュレーションが示されたとのこ
とです。
研究チームによると、この「地震の逆伝播」は東北地方太平洋沖地震
(東日本大震災)や熊本地震で起きていた可能性もあると言います。
[出典] 筑波大学Webサイト
http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p202008110000.html
今回の研究成果をもとに、さらに研究・解析を進めていくことで、将来
起こりうる巨大地震や、内陸で発生する地震に対する備えになると良い
ですね。
次号もお楽しみに!
by Hirono
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(2)9月の地震活動
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9月4日の福井県嶺北の地震(M5.0)により最大震度5弱を観測しました。
この地震により、負傷者13人の被害がありました。
全国で震度3以上を観測した地震の回数は18回で、このうち、最大震度
4以上を観測した地震は4回でした。
日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は90回でした。
気象庁 20.10.8
https://www.jma.go.jp/jma/press/2010/08a/2009jishin.html
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(3)9月の地殻変動
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東日本の広い範囲で、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見ら
れます。
2019年中頃から志摩半島で観測されている、それまでの傾向とは異なる
地殻変動は、最近は停滞しているように見えます。この変動は、志摩半
島周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するも
のと推定しています。
2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測し
ています。この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期
的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起が、「硫黄島2」
では南向きの変動が継続しています。
西之島では、島のほぼ全域で主に降灰によるとみられる非干渉領域が見
られます。9月25日のSAR干渉画像では、火砕丘の周辺の広範囲で衛星
から遠ざかる変動が見られます。また、火砕丘の北東斜面で変動が見ら
れます。
国土地理院 20.10.8
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2020-goudou1008.html
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第1位 9月12日 宮城県沖で震度4の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/3569938296372161/
第2位 9月27日 静岡県西部で震度4の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/3617974128235244/
第3位 9月20日 茨城県北部で震度3の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/3594992263866764/
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