メールマガジン 第185号  

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<メールマガジンSignalNow> 2020年2月15日・第185号
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(1)2分で読める防災コラム 第131回
南海トラフ地震等への対応について
(2)南海トラフ地震 3m以上の津波確率 広範囲で最高ランクに
(3)全国の火山概況 9つの火山に「火口周辺警報」 気象庁
(4)1月の地震活動及び火山活動
(5)1月の地殻変動

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(1)2分で読める防災コラム 第131回
南海トラフ地震等への対応について
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今号は、発生確率が今後30年で70~80%程度とされる「南海トラフ地
震に関連する政府の対応と学術的調査について」です。

1.政府の対応について

昨年の12月、自民党の東日本大震災復興加速化本部(額賀 本部長)
が安倍 首相に対して「災害対応の一元化」を申入れしました。

現在は、大規模災害等が起きるたびに、いちいち「対策本部」を立ち
上げ、緊急時対応を行っています。

その都度、人を集め直すなどの時間が掛かりますし、「その場限り」
では知見がたまりにくいという側面もあります。

加えて今は、警察庁や消防庁などの機能が縦割りとなっており、災害
時対応の準備が進みにくいとの指摘もあります。

さらに、平時の防災対策は「内閣府の防災担当が中心になる」という
分断された状況にあります。

そこで政府はこの度、これらを受けて大規模災害に備える司令塔機能
を首相官邸に集約する「防災危機管理チーム会議(仮称)」を新設す
ることを決めました。

トップは「内閣危機管理監*」が務め、その下に内閣府や消防庁、警
察庁など関係省庁の幹部が集まる会議とし、2021年度の設置を目指し
ます。

*内閣危機管理監:内閣官房に1人置き、緊急事態に対して内閣とし
て必要な措置について第1次的に判断し、初動措置について内閣官房
各部を指揮するとともに関係省庁を総合調整する役職。現職は沖田芳
樹 元警視総監。

関係省庁の幹部として、内閣官房の危機管理審議官、内閣府政策統括
官、消防庁次長、警察庁警備局長などを想定し、月1回程度のペース
で会議を開くとしています。

あわせて常設の「対策本部」を設置し、人員も20年度に100人を超え
る態勢に強化し、平時から危機管理体制を充実させ、防災や応急対策、
復旧・復興に関して情報共有し、災害時に迅速に対応できる準備を進
めるとしています。

20年度以降は、内閣府の防災担当の職員を内閣官房と兼務させること
で、危機管理監の下で関係省庁と協力しやすくし、これまで内閣府防
災担当への出向者が少なかった経済産業省や文部科学省、環境省など
からの人員も増やすとしています。

それは、今後の発生が懸念される「南海トラフ地震」や「首都直下地
震」などに備える意味でもあります。

2.南海トラフ地震が想定される震源域で「スロースリップ*」を初
観測

*スロースリップ:プレートとプレートの境目が、体に感じるような
地震波を放射せずにゆっくりとすべり、歪みエネルギーが解放されな
い特異な現象。長い時間をかけてエネルギーが蓄積されるため、解放
時に大規模な地震を引き起こす原因とされる。

※スロースリップについては、本メールマガジンの第156号(本コラ
ムの「第102回」)でも詳細に取り上げています。
https://www.kobayashiyoko-com.jp/sn/info_mail156.html

先月16日、東京大学と海上保安庁は、豊後水道沖や紀伊水道沖など
「南海トラフ地震」の原因となるプレートで、その境目がゆっくりず
れ動く「スロースリップ」を初めて観測したと発表しました。

今回初めて「スロースリップ」を捉えたのは、陸地から海側に50キロ
離れた「南海トラフ」のプレートの境目の浅い部分の7か所です。

陸域では、スロースリップと巨大地震との関係性についての研究が盛
んに行われている一方、海域では観測の難しさから詳細はこれまでよ
くわかっていませんでした。

スロースリップ現象は、数か月から1年程度の時間をかけて変動する
現象であり、体感できない揺れの範囲で起きるため、これまでの海底
観測手法では感度が足りず、検出することが困難だったのです。

そこで海上保安庁は、東京大学の技術協力を得ながら、南海トラフで
想定される震源域やその南の海底合わせて15か所ほどに、地盤の動き
を観測できる装置を設置していました。

それらをこのほど回収し、東京大学とともにデータを解析したところ、
「紀伊水道沖」の2か所においては、平成30年頃に南東方向に向かっ
てそれぞれ6センチと8センチ動いていることがわかりました。

今回検出された5cm以上の変動は比較的大きなもので、歪みエネルギ
ーの蓄積が懸念されるところです。

[出典] 東京大学Webサイト「観測の困難な海底下における「ゆっくり
すべり」を検出」
https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3223/

海上保安庁は「さらに観測データを集めて、プレート境界で何が起き
ているのかを把握し、防災につなげるためのシミュレーション研究に
も役立てて欲しい」としています。

今後の東京大学を始めとするメカニズム解明や防災対策につなげて欲
しいものですね。
次号もお楽しみに!

by Hirono

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(2)南海トラフ地震 3m以上の津波確率 広範囲で最高ランクに
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政府の地震調査委員会は1月24日、南海トラフ沿いで今後30年以内に
70%から80%の確率で発生するとされるマグニチュード8から9クラス
の地震を対象に、沿岸の自治体が津波に襲われる確率を計算し、初めて
公表しました。

津波の高さを3段階に分け、このうち住宅が流失し始めるとされる3m以
上の津波に襲われる確率は、四国、近畿、東海を中心とした合わせて71
の市区町村で最も高いランクの「26%以上」としました。

また、10m以上の津波に襲われる確率は、高知県や三重県を中心とした
合わせて21の市と町で「6%以上26%未満」と高くなっています。

地震調査委員会の平田直委員長は「30年以内に交通事故でけがをする確
率はおよそ15%とされており、3m以上の津波に襲われれる確率が26%
以上というのは、非常に高い数値だと捉えて備えを進めてほしい」と話
しています。

今回の試算では、マグニチュード9を超えると想定される最大クラスの
地震は、発生頻度が詳しく分かっていないとして対象外としています。

TEAM防災ジャパン 20.1.27
https://bosaijapan.jp/news/【災害想定】南海トラフ地震-3m以上の津波確率-広/

 

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(3)全国の火山概況 9つの火山に「火口周辺警報」 気象庁
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気象庁は2月10日、ことし1月から2月にかけての全国の活火山の活動
状況や警戒すべき点について発表しました。

噴火が発生したり火山活動が高まったりしているとして、全国9つの火
山に「火口周辺警報」が、1つの海底火山に「噴火警報(周辺海域)」
が発表されています。

今後の噴火で火口の周辺や居住地域の近くに影響が出るおそれがあると
して「火口周辺警報」が発表されているのは、次の9火山です。

1.群馬県にある草津白根山の「白根山」
2.熊本県の「阿蘇山」
3.鹿児島と宮崎の県境にある霧島連山の「新燃岳」
4.鹿児島県の「桜島」
5.「口永良部島」
6.「薩摩硫黄島」
7.「諏訪之瀬島」
8.小笠原諸島の「西之島」
9.「硫黄島」

NHK 20.2.10
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200210/k10012280441000.html?utm_int=news-saigai_contents_list-items_005

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(4)1月の地震活動及び火山活動
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■地震活動
全国で震度3以上を観測した地震の回数は13回で、このうち、最大震度
4以上を観測した地震は5回でした。日本及びその周辺におけるM4.0以
上の地震の回数は71回でした。

■火山活動
霧島山(新燃岳)では、1月2日に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レ
ベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げ
ました。

気象庁 20.2.10
http://www.jma.go.jp/jma/press/2002/10b/2001jishin.html

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(5)1月の地殻変動
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東北から関東・中部までの広い範囲で、2011年東北地方太平洋沖地震後
の余効変動が見られます。

2019年4月頃から紀伊半島西部・四国東部でそれまでの傾向とは異なる
地殻変動を観測しています。この変動は、紀伊水道周辺のプレート境界
深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。

硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起が継続していま
す。「硫黄島1」で北西向き、「硫黄島2」では南向きの変動が継続し
ています。

西之島では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、火砕丘の
北東側及び東側に溶岩の堆積等によるとみられる非干渉領域が引き続き
見られ、海岸線まで到達しています。一連の噴火活動に伴い、西之島の
北東側から東側で溶岩等によるものとみられる地形変化が継続しており、
海岸線が変化しています。

桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島郡山」-「鹿児島福
山」、「鹿児島福山」-「隼人」等の基線でわずかな伸びが見られます。
また、桜島島内の基線ではわずかな伸びが継続し、「桜島」では隆起の
傾向が見られます。

国土地理院 20.2.10
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2020-goudou0210.html

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第1位 地震切迫度 31の活断層で“震災直前と同じか それ以上”
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第2位 「スロースリップ」沖合の海底で初確認 地震メカニズム解明へ
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/2958638454168818/
第3位 2月1日 茨城県南部で震度4
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/2991802854185711/

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