メールマガジン 第181号
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<メールマガジンSignalNow> 2019年10月15日・第181号
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(1)2分で読める防災コラム 第127回
台風19号の大災害について
(2)9月の地震活動及び火山活動
(3)9月の地殻変動
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(1)2分で読める防災コラム 第127回
台風19号の大災害について
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今号は急遽予定を変更し、近畿・東海・北陸・関東・東北地方などの
広範囲に大災害をもたらした「台風19号」についてです。
被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。
1.台風の概要について
大型台風19号は、気象庁が「数十年に一度の災害」と発表するほどの
強い勢力を保ったまま、10月12日夜に静岡県の伊豆半島に上陸し、13
日の午後にかけて関東を縦断し、13日未明に東北地方の東海上に抜け
るという進路を取り、広範囲に深刻な大災害をもたらしました。
気象庁では、早くから「昭和33年の狩野川台風に匹敵する記録的な大
雨になる」と警戒を呼びかけていました。
大型台風19号は、暴風域・強風域が巨大なため、上陸前する前から
大雨と強風をもたらし、年間降水量の3割から4割に当たる雨がわず
か1日~2日の間で降るという記録的なものとなりました。
実際に台風が上陸すると、気象庁より「警戒レベル5:大雨特別警報」
が13都県に発表され、各地で記録的な大雨と最大風速・最大瞬間風速
が観測される事態となりました。
神奈川県箱根町では、断続的に非常に激しい雨が降り続け、48時間の
雨量は1001ミリに達しました。
静岡県伊豆市、埼玉県秩父市、東京 檜原村、宮城県丸森町、福島県川
内村、岩手県普代村でも、「気象史上最多」となる豪雨となりました。
猛烈な雨によって、静岡県と関東地方に土砂災害の危険度が高まり、
土砂災害警戒情報が「7都県89市町村」に発表されました。
警戒レベル5「避難指示(緊急)」は90万世帯・200万人に及び、警
戒レベル4の「避難勧告」は200万世帯・400万人に及びました。
さらにこのタイミングで、潮位の上がる高潮と重なり、一部に逆流が
生じた河川もありました。
12日昼過ぎから段々と風が強まり、風速は30メートルを超え、15時
15分に神津島で最大瞬間風速44.8メートルを、東京都江戸川区や横浜
でも43.8メートルという観測史上最大の風速が観測され、猛烈な風が
吹き荒れました。
2.被害状況等について
死者37人、行方不明者14人、負傷者189人(10月14日11時現在)、
建物の損壊多数、床下・床上浸水多数、停電、断水、電話・通信障害
多数、道路の被災による通行止め、鉄道の運休、航空機の欠航など、
甚大な被害となりました。
各地の河川にて氾濫が発生し、「氾濫発生情報」が関東甲信と東北で
合わせて14の河川で発表されました。
台風19号の豪雨による土石流や崖崩れなどの土砂災害も、12都県で
48件(13日午前現在)発生しました。
群馬県富岡市では、裏山の土砂が崩れて住宅に流れ込み、2棟の住宅
に住んでいた3人が死亡するという痛ましい事態となりました。
停電も、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国
電力の管内合計で、最大約52万軒に達しました。
徐々に復旧しているものの、まだ首都圏や静岡県などで合わせて16万
6千戸の停電(10月13日17時現在)が続いています。
さらに、福島県田村市は、東日本大震災の際に「除染で出た廃棄物」
が入った袋が12日夜、台風19号の大雨で下川に流れ出たと発表しま
した。
3.河川の氾濫について
全国の21河川24か所で堤防が決壊(13日の夕方時点)し、水が堤防
を乗り越える「越水」による氾濫は、国や15の都県が管理するのべ
142の河川で発生しました。
国が管理するダムにおいても、関東と福島県、長野県の合わせて6つ
のダムで放流が行われました。
治水ダムは、流入量が多くなって溢れる状態に近づくと、流入してく
る水と同じ量の水を放水する「異常洪水時防災操作」と呼ばれる放流
が行われます。
台風19号による豪雨で12日から13日にかけて放流が行われたダム
は、次のとおりです。
1.茨城県北茨城市にある大北川の水沼ダム
2.茨城県常陸太田市にある久慈川の竜神ダム
3.栃木県那須塩原市にある那珂川の塩原ダム
4.神奈川県相模原市にある相模川の城山ダム
5.福島県いわき市にある鮫川の高柴ダム
6.長野県伊那市にある天竜川の美和ダム
[出典] 気象庁、内閣府のWebサイトほか
河川の決壊・越水などによる大規模な浸水により、1階部分などが水
没した建物では、多くの人が孤立して取り残され、救助を待つという
事態が各所で発生しました。
また、長野市の千曲川の堤防決壊によって周辺一帯が浸水し、JR東
日本「長野新幹線車両センター」では、北陸新幹線の車両30編成の
うち3分の1に当たる10編成120両が浸水しました。
1車両で億円を超えると言われる新幹線車両、あるいは農地や農作物、
製造施設や商業施設などの経済的な損失も巨額なものと思われます。
現在も、避難されている方や自宅であっても停電や断水等に苦しんで
おられる方も多数おられるかと思います。
早期の復旧・復興をお祈りするばかりです。
by Hirono
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(2)9月の地震活動及び火山活動
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■地震活動
全国で震度3を観測した地震の回数は9回です。震度4以上を観測した
地震はありません。
日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は63回でした。
■火山活動
箱根山では、大涌谷周辺の想定火口域に影響を及ぼす噴火の可能性は低
くなったと判断し、10月7日(期間外)に噴火予報を発表し、噴火警戒レ
ベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)へ引き下げました。
ただし、大涌谷周辺の想定火口域では活発な噴気活動が続いていますの
で、火山灰等の突発的な噴出現象に注意する必要があります。
気象庁 19.10.8
http://www.jma.go.jp/jma/press/1910/08a/1909jishin.html
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(3)9月の地殻変動
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東日本の広い範囲で、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見ら
れます。
火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。
2018年春頃から九州北部で、2018年秋頃から四国西部で、それまでの傾
向とは異なる地殻変動が検出されていますが、6月頃から停滞している
ように見えます。
この変動は、日向灘北部及び豊後水道周辺のフィリピン海プレートと陸
のプレートの境界深部における長期的ゆっくりすべり(スロースリップ現
象)によるものと推定されます。
箱根山周辺では、箱根山を挟む基線で2019年3月中旬頃から見られてい
る伸びの傾向は、8月中旬頃から鈍化しています。
硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起、「硫黄島2」は
南向きの変動が継続しています。
国土地理院 19.10.8
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2019-goudou1008.html
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第1位 東北沖地震後の地盤隆起の原因を解明
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/2728250573874275/
第2位 10月7日 伊予灘で震度3の地震を観測
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/2735823099783689/
第3位 9月29日 熊本県天草・芦北地方で震度3の地震を観測
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/2720585317974134/
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